2018年6月30日土曜日

夜勤は精神疾患になる可能性を高めるが、それよりも日勤に戻って精神疾患が回復することのほうが起きやすいというフィンランドの研究


夜勤のある仕事をされている方も少なくないと思いますが、夜勤が精神疾患に与える影響はどのくらいあるのでしょうか。

このことを調べるために、Scandinavian Journal of Work, Environment & Healthに掲載されていた論文を読んでみました。

Beltagy, M. S., Pentti, J., Vahtera, J., & Kivimäki, M. (2018). Night work and risk of common mental disorders: analyzing observational data as a non-randomized pseudo trial. Scandinavian journal of work, environment & health.



こちらはフィンランドのコホート研究で、社会福祉・医療関係の労働者46,010名を8年間追跡して、夜勤が精神疾患に与える影響について調べています。

具体的には、
①日勤から夜勤になると、どのくらい精神疾患にかかりやすくなるのか
②夜勤から日勤になると、精神疾患はどのくらい回復するのか
ということについて、ロジスティック回帰分析を用いて解析しています

ちなみに、ここでいう精神疾患とは、
・精神的不調により仕事を休んだこと
・抗うつ薬を購入したこと
のどちらかが認められたことを指します。


結果についてですが、

①日勤から夜勤になると、精神疾患にかかるオッズ比は1.25 (95%CI 1.03-1.52)
②夜勤から日勤になると、精神疾患が回復するオッズ比は1.99 (95%CI 1.20-3.28)

となりました。


夜勤によって精神疾患にかかりやすくなることは想像しやすいですが、それよりも夜勤から日勤に変更になったときに精神疾患が回復することのほうが起きやすいんですね。

夜勤やシフト勤務で調子を崩している方を日勤のみとすることはメンタルヘルスを管理するうえで効果的になりそうです。


それだけ普段の生活リズムが重要ということですから、些細なことだと思わずに、規則正しい生活を心がけていきたいものです。

最近になって、睡眠や運動が不足していたり、食事が不規則になったりすると、パフォーマンスが低下することによって、掴めたはずのチャンスを逃していると思うようになりました。

調子が悪いときは必要最低限のことしかできなくなり、もう一歩先の自分のやりたかったことを行うのが難しくなるのです。

これが続くと能動的な活動ができなくなり、受け身の人生を送ることになってしまいます。

そういうことも視野に入れて、体調管理を考えていきたいです。