2019年1月16日水曜日

管理職になったときの心理的変化を明らかにしたチューリッヒ大学の研究


管理職に昇進すると、今まで扱ってこなかった新しい仕事が増え、その負荷によって調子を崩してしまうこともありますが、一般的に管理職になると、どのような心理的変化があるのでしょうか。



このことについて調べるために、Journal of Business and Psychologyに掲載されていた論文を読んでみました。

Debus, M. E., Fritz, C., & Philipp, M. (2018). A story of gains and losses: intra-individual shifts in job characteristics and well-being when transitioning to a managerial role. Journal of Business and Psychology, 1-19.


こちらは2018年のチューリッヒ大学の論文で、スイスの世帯調査を利用して、2,052名の管理職昇進前後の心理的変化について調査しています。



この研究でどのようなことがわかったかというと、


・管理職になると、意思決定への参加が増えることにより、仕事の満足度が増加する

・一方で、時間のプレッシャーも増えることで、疲労を感じやすく、仕事と家庭の両立が難しくなる

・仕事以外の時間に、仕事からうまく離れられたと感じた人たちは、疲労や家庭との両立の難しさを感じにくかった


となりました。



つまり、管理職になると、仕事の満足度が増える半面、疲労や家庭との両立の難しさを感じやすくなります。


精神的には、良い面と悪い面の両方を併せ持つようです。


言われてみれば、確かにその通りだなと感じますね。



ただ気をつけたいのは、管理職になった後の急激な仕事量の増加ですね。


管理職に昇進した直後は、本人もモチベーションが高いですし、仕事の満足度も感じやすいため、張り切って働きたくなります。


そこに急激な仕事の負荷が加わると、疲労や家庭との両立の難しさを感じやすくなって、体調を崩していってしまいます。



1つの対策としては、今回の論文でも触れられているように、仕事のことを考えなくて済むような休息時間をしっかりともうけていくことでしょう。


私も休日に病院から電話がかかってくる職場で働いていたときは、「いつ電話がかかってくるだろうか」と考えてしまったり、睡眠が浅くなったりして、ゆっくり休めている実感がありませんでした。


普段の体調管理のためにも、休日にしっかりと休めるような体制をつくっていくことは重要になりそうです。


よろしければ、参考にしてください。