2018年7月21日土曜日

休暇による仕事のパフォーマンス改善効果は4週間でなくなるが、なるべく長続きさせるには2つのポイントがあるというドイツのコンスタンツ大学の研究


夏休みなどの休暇を利用して旅行や外出にでかけてリフレッシュされる方も多いと思いますが、休暇によって仕事のパフォーマンスは改善するのでしょうか。


このことについて調べるために、Journal of Organizational Behaviorに掲載されていた論文を読んでみました。

Kühnel, J., & Sonnentag, S. (2011). How long do you benefit from vacation? A closer look at the fade‐out of vacation effects. Journal of Organizational Behavior32(1), 125-143.


こちらは2011年にドイツのコンスタンツ大学が行った研究で、131名の学校の先生を対象として、休暇の前後で4回の質問紙調査を行い、仕事の生産性と精神的疲労の経時的変化について多変量分散分析しています。

質問紙調査を行ったタイミングは、
①休暇前最後の勤務日
②休暇後最初の勤務日
③休暇後第2週の最後の勤務日
④休暇後第4週の最後の勤務日
となっています。

結果ですが、
・休暇直後は有意に仕事の生産性と精神的疲労に改善がみられる
・しかし、4週間以内にその効果は消えて、休暇前の状態に戻る
となりました。

さらにこの研究では、休暇の効果消失に与える要因について階層的重回帰分析を行っており、
・精神的疲労には仕事のノルマとリラックス体験が有意に関連している
・仕事の生産性にはリラックス体験が有意に関連している
ということがわかりました。


つまり、休暇によって仕事のパフォーマンスは改善するけれども、4週間後には元の状態に戻り、その要因としては仕事のノルマとリラックス体験が影響しているのです。

せっかくの休暇が4週間以内に効果が消えてしまうのは悲しいですが、この研究結果から休暇の効果を長続きさせるためには、休暇後に仕事量を急激に増やさず、リラックスする時間を確保していきましょう。

休暇後は仕事がたまっていて量的な負荷がかかりやすいですが、休暇前にできるだけ仕事を片付けておくなどの対策を立てておくと良いかもしれません。