2018年5月23日水曜日

ベテランは職場のリソースが少ないと若手よりも仕事でストレスを感じやすいというポートランド州立大学の研究


ベテランは一般的に仕事にも慣れていてストレスに対処しやすいと考えられる傾向がありますが、ベテランが若手よりもストレスを抱えやすい状況は存在するのでしょうか。

このことについて調べるために、Journal of Vocational Behaviorに掲載されていた論文を読んでみました。

Yaldiz, L. M., Truxillo, D. M., Bodner, T., & Hammer, L. B. (2018). Do resources matter for employee stress? It depends on how old you are. Journal of Vocational Behavior.

こちらはポートランド州立大学の研究で、アメリカの建設業労働者243名を対象として縦断調査を行い、年齢が、職場のリソース(スキル、上司への相談、組織公平性)と主観的なストレスの関係に与える影響について相関分析と重回帰分析を行っています。


結果としては、
・職場のリソースと主観的なストレスの関係は年齢が高いほど強くなる
・職場のリソースが多いときは年齢に関わらずストレスは少ない
・しかし、リソースが少ないときは年齢が高いほどストレスが大きくなる
となりました。


ベテランになるとリソースを使う力は一般的に高くなり、若手よりもストレス反応が低くなる傾向がありますが、もともとのリソースが少ないときには逆に若手よりもストレス反応が高くなってしまうこともあるということです。

建設業での1つの研究結果だけなので全体的なことまではわかりませんが、実務面では本人の状態を評価するときに、「ベテランだから大丈夫だろう」と安易に決めつけずに、職場のリソースはどのくらいあるのか確認していったほうがよいでしょう。