ミーティングに遅れてしまって気まずい思いをしたことは誰しも一度は経験したことがあるのではないでしょうか。
そこで、ミーティングに遅れることが満足度や生産性にどのような影響を与えるのか調べてみました。
文献はJournal of Organizational Behaviorに掲載されていた、こちらの論文です。
Allen, J. A., Lehmann‐Willenbrock, N., & Rogelberg, S. G. Let's get this meeting started: Meeting lateness and actual meeting outcomes. Journal of Organizational Behavior.
こちらはネブラスカ大学の研究で、3つの実験が行われて、
①ミーティングが遅れる割合
②ミーティングが遅れることによる主観的な満足度・生産性への影響
③ミーティングが遅れることによる客観的なパフォーマンスへの影響
について主に調査されています。
1つ目の研究では、アメリカで定期的にミーティングに参加している労働者252名を対象としてオンライン調査を行いました。
結果としては、
・直近のミーティングが時間通りに始まると回答した人の割合は48.8%
・5分遅れると回答した人の割合は36.9%
・10分遅れると回答した人の割合は14.2%
でした。
この実験ではミーティングの主観的な満足度・生産性も同時に測定されており、ミーティングの遅れと主観的な満足度・生産性には負の相関がみられていました。
2つ目の研究では、アメリカの大学生78名を対象として、
・ミーティングが時間通りに始まった場合
・5分遅れて始まった場合
・10分遅れて始まった場合
の3つでマルチレベル分析を行って、主観的な満足度・生産性が調査されています。
結果としては、ミーティングが10分遅れた場合は時間通りに始まった場合と比べて有意に主観的な満足度・生産性が低くなっていました。
3つ目の研究では、アメリカの大学生270名を対象として、
・ミーティングが時間通りに始まった場合
・5分遅れて始まった場合
・10分遅れて始まった場合
の3つで、研修を受けた実験協力者が客観的なミーティングのパフォーマンス(質、実現可能性、アイディアの数)を評価しました。
その結果、こちらもマルチレベル解析を行うと、ミーティングが10分遅れた場合は時間通りに始まった場合と比べて有意に客観的なパフォーマンスが下がりました。
ということで、ミーティングに遅れると、主観的な満足感や生産性はもちろんのこと、客観的なパフォーマンスまで下がってしまう傾向にあるようですね。
確かに、実際にミーティングで10分待たされることを想像すると、イライラしやすく、モチベーションも下がるのではないでしょうか。
逆に考えると、それだけ時間は貴重なものだといえます。
お金はなくなってもまた稼ぐことはできますし、忘れた知識はまた勉強すれば取り戻せます。しかし、失った時間はどうあがいても取り戻すことはできません。
時間は大事に使っていきたいですね。