2019年6月1日土曜日

通勤中の騒音は人体にダメージを与えているという話


都市部で働かれている方々などにとっては、通勤による疲労を感じやすいかと思いますが、通勤中の騒音は人体にどの程度の影響を与えるのでしょうか。



文献


このことについて調べるために、Journal of the American College of Cardiologyに掲載されていた論文を読んでみました。

Münzel, T., Schmidt, F. P., Steven, S., Herzog, J., Daiber, A., & Sørensen, M. (2018). Environmental noise and the cardiovascular system. Journal of the American College of Cardiology71(6), 688-697.


こちらは2018年のヨハネス・グーテンベルク大学マインツの論文で、通勤中の騒音と心血管系疾患の関係についてレビューを行っています。


要するに、通勤中の騒音が心臓病や脳卒中に与える影響について調査した先行研究をまとめたものになります。



ここでは、騒音の大きさを測定するものとして、dB(デシベル)という単位が用いられています。


目安としては、図書館や静かな住宅地で40dB、静かな乗用車で60dB、電車内で80dB、飛行機のエンジン近くで120dBとされています。



結論


それでは、今までの研究でどのようなことがわかったかというと、


・心筋梗塞に関しては、車や飛行機の騒音が50dBから10dBずつ上昇するごとに、6%のリスク上昇がみられる

・脳卒中に関しては10dB上がるごとに、車の騒音では14%、飛行機の騒音では8~29%のリスク上昇がみられる

・心不全や高血圧に関しては10dBずつ上がるごとに、飛行機では1.6%、車では2.4%、電車では3.1%のリスク上昇がみられる


となりました。



私の場合、通勤で車を利用しているので、静かな住宅地で過ごしている方々と比べて、心筋梗塞で6%以上、脳卒中で28%以上、心不全や高血圧で4.8%以上のリスク上昇があるということになります。


ものすごく大きな数字ではないですが、リスクが高まるというのは嫌な感じですねぇ。



解釈


ではどうしてこのような結果になったかというと、騒音に曝されると人体に以下のような反応が生じると考えられてます。


・血管への酸化ストレス

・自律神経の乱れ

・代謝異常


これらによって、高血圧、動脈硬化、肥満、糖尿病が生じやすくなり、血管にダメージを与えることで、心臓病や脳卒中につながるというわけです。



論文のなかでは騒音対策として、遮音性の高い建物を立てたり、騒音防止壁を設置したりするなどのインフラ対策が有効だと書いてありましたが、すぐに実施するのは難しいでしょう。



ひとまず個人でできる対策としては、耳栓やノイズキャンセリング・ヘッドホンを使用することでしょうか。


私もノイズキャンセリング・ヘッドホンを使い始めてから、だいぶ移動中のストレスが緩和されたことを実感しています。


例えると、雪が降ったときの静けさを体験しているような感じです。


通勤のストレスを和らげたい方々にはオススメですので、参考にしてみてください。