2020年12月20日日曜日

年末の帰省シーズンが近づくと、コロナの家庭内感染が脳裏を過ぎる

 

気づけば2020年も残り僅か。あと11日で今年も終わると思うと早いものである。



今年はコロナ一色で、生活様式も大きく変わってしまった。



去年の今頃の自分にとっては、まさかエンドレステレワークをすることになっているとは夢にも思わなかっただろう。




そんな1年ももうすぐ終わり。



年末年始のご予定は立てられただろうか。



おそらく実家で過ごすという方々も少なくないと思う。今年は断念という方々も多いとは思うが。




そんなときに気になるのが、コロナの家庭内感染である。



もし家族の誰かがコロナに感染していた場合、他の家族のメンバーに感染させてしまう確率はどのくらいあるのだろうか。




このことに関して参考になるのが、JAMAに掲載されたフロリダ大学の研究である(Madewell et al., 2020)。



こちらの研究では、コロナの家庭内感染について調査した54件の先行研究(対象者77,758名)をメタ分析している。



メタ分析で複数の研究をまとめて定量的に評価してくれているところがこの研究の有難いところである。




この研究でわかったのは、以下のようなことである。



・コロナの家庭内感染率は16.6%


・子供からの感染よりも大人からの感染が多い(16.8% vs 28.3%)


・配偶者からの感染がその他の家族からの感染よりも多い(37.8% vs 17.8%)



どうやら、コロナに感染すると、6家庭に1件くらいの割合で家庭内感染が起きるようである。



特に、配偶者がいらっしゃる方々は感染へのリスクが高くなる。



シンガポールの研究では、ベッドを共有していると感染リスクが高くなることが報告されており(Ng et al., 2020)、配偶者の感染が多いこともこのようなことを反映しているのだろう。




今回の研究結果を見ると、実家への帰省で感染が拡大していくリスクも考えられる。



なるべく家庭内感染のリスクを減らして帰省したい方々は、帰省直前にPCR検査を受けるなどの対策をとっておいたほうがよさそうだ。



最近では3000円以下でPCR検査を受けられるところも出てきているので、検査自体は以前よりも受けやすくなっている。



ぜひ検討してみていただきたい。