コロナの第3波、なかなか手強いものである。
緊急事態宣言も再び出て、だいぶ生活に影響が出てきている方々も少なくないと思う。
コロナへの感染予防対策が必要なことは、この1年の経験で多くの方々が身にしみてわかっているはずなのに、どうしてコロナは減らないのか?
それは、無症状者からの感染が多いからなのではないかと私は思う。
コロナは感染しても無症状の人が多かったり、発症直前に感染力のピークが来たりすることが報告されている(Gudbjartsson et al., 2020; He et al., 2020)。
発症していれば本人も周りの人も感染を広げないように行動を改めることができるが、何も症状もなく検査もしていなければ感染していることに気づくことは難しく、普段と同じ行動をとって感染を広めてしまう危険性が生まれる。
発症者が出たときには時すでに遅しで、周りに多くの感染者が発生しているというケースが少なくないように思える。
では、無症状者からの感染はどのくらいの割合を占めているのだろうか?
このことに関して、最近アメリカのCDCから参考になる論文が出てきた(Jahansson et al., 2021)。
この研究では今までのコロナ関連の先行研究をもとに、潜伏期間5日・感染力のある期間10日と設定して、無症状・発症前・発症後からの感染割合がそれぞれどのくらいになるのかについて予測モデルを作っている。
どんな結果になったのか気になるところである。さっそくみていこう。
・コロナを発症していない人々からの感染は全体の59%を占めていた
・そのうち、24%は無症状者、35%は発症前の人々から感染していた
どうやら、コロナ感染は半数以上が発症していない人々から生まれていることが予測されるようである。
これだけ発症していない人々からの感染が多ければ、発症者だけを追っていっても感染が収まらないのは当然である。
各自が自分はコロナに感染しているつもりで感染対策を行ったり、積極的にPCR検査を行ったりしない限りはなかなか事態は収束に向かわないかもしれない。
ただ、それぞれ家庭や仕事もある中で、それができるかというと、難しいだろう。
まだしばらくコロナと共に過ごす時間が続きそうだ。