2020年9月27日日曜日

コロナにメガネは伊達じゃない

 


以前に、ゴーグルやフェイスシールドでコロナの感染リスクが75%低下するという記事を書いたのを覚えていらっしゃるだろうか。



個人的にも、とてもインパクトのある研究だったので、産業医先の安全衛生委員会でも紹介したのだが、そのときに次のような質問を頂いた。



「メガネをかけていることも感染予防になるんですか?」



確かに興味深い。



ゴーグルやフェイスシールドで物理的にウイルスをシャットアウトすることができるのであれば、メガネにも原理的に同様の効果があっておかしくない。



果たして、メガネは視力矯正やファッションアイテムとして以外に、感染予防対策として使えるものなのだろうか。




このことに関して参考になるのが、2020年の南昌大学の研究である(Zeng et al., 2020)。



こちらの研究では、中国湖北省においてコロナで入院した276名の患者を対象として、1日に8時間以上メガネをかけている人の割合を調べ、一般人口と比較している。



その結果、以下のようなことがわかった。



・コロナ入院患者で日常的にメガネをかけていたのは5.8%


・それに対して、中国湖北省で日常的にメガネをかけているのは31.5%



つまり、コロナ入院患者のメガネ率は一般人口と比べて5分の1以下ということになる。



これはかなり大きな差があると言えるだろう。



母集団が小さいところがこの研究の限界だが、メガネにも感染予防効果があることを示唆している。



メガネを持っている方々は、使用頻度を増やしてみても良いのではないだろうか。




私は今年ICL手術を行って裸眼になったが、コロナ禍ではメガネ生活も悪くないかもしれない。